昨年からコロナ禍の中で終息を祈りながら色々な寺院、神社に奉納を続けてきました。
昨年は還暦を迎え、そのことに対する感謝も含め産土神社や近隣で馴染みの深い寺院にも奉納をさせて貰いました。
61歳の誕生日を迎える前にさらに近隣で崇敬している神社、寺院ということで金沢市内にある泉野櫻木神社、九萬坊大権現に8月28日に奉納をしたいと決意しました。
8月に入り、連絡を入れさせて貰い両社とも快く受け入れて頂くことが出来ました。
櫻木神社は、養老元年多治見広成と云える人、尾張国名古屋の辺に小祠を建立し僧泰澄が、桜木を以て刻める御神像をお祀りなされたのが始まりであると言います。ご祀神は応神天皇 天照大神です。
僕の産土神社は国造神社ですが、この櫻木神社は国造神社と同様に小学生の時から境内で遊んだりした愛着のある神社です。
この二つの神社を結んだ線上のちょうど中間に僕の自宅があり、国造神社の祀神である大国主命と櫻木神社の祀神である天照大神にいつも守られているという安堵の気持ちがあります。
奉納をさせて頂いた作品は天照大神をイメージして選びました。画題は「未来永劫の光」です。
十握宮司はこの日の為にとても魂の籠もった特別な祝詞を準備してくれていてその奏上する声にも心が震えました。
感謝いたします。
同じ日の午後に金沢の郊外にある黒壁山薬王寺 九萬坊大権現に奉納させて頂きました。
こちらの寺院は僕の尊敬する出羽三山神社の星野文紘先達をお連れした時に大変、気に入って頂きました。修験者にはこの白山修験を伝える空気感がすぐに理解出来るのだと思いました。
開創は奈良時代養老二(七一八)年、越の泰澄大師に依るものです。当時禅定にて御修行の折、祝福に現れ給うた権現が九萬坊、八萬坊、照若坊の三聖であり、大師は直ちに祠をもうけ拝されたとのことです。
この寺院が泰澄大師の所縁があることは知ってはいたのですが、櫻木神社も泰澄大師と所縁のあることを後から知り不思議な感慨を持ちました。またほぼ同時期に創建された両社に同日に奉納をすることを決めたことも深いご縁を感じました。
金沢という土地に住み、素晴らしい寺院、神社に奉納をさせてもらうことに感謝いたします。
奉納をさせて頂いた作品です。
九萬坊、八萬坊、照若坊という三人の天狗が祀ってあり、本地仏として薬師如来・不動明王・十一面観音に擬えています。
薬師如来をイメージして画題を「慈しみの光」と付けました。