2024年6月1日、石川県の羽咋市にある永光寺に額装写真を奉納する事が出来ました。
永光寺は曹洞宗の寺院で山号は洞谷山(とうこくざん)。本尊は釈迦如来。能登観音霊場第13番札所です。
参道には、春は桜が咲き誇り、秋にはもみじの紅葉が美しいことで有名です。
今年の1月1日に能登半島地震が起きました。能登にある寺院や神社はかなりの規模で倒壊してしまい、胸が痛むばかりでした。
過去において能登にある寺院などに奉納をしてきましたが地震の後、奉納をさせて頂くことで復興をお祈りする事が出来ないかと考えていました。
奉納をしたいと思っても倒壊してしまった処には無理なので思いを巡らせたところ、思い浮かんだのがこの永光寺でした。
能登には呼称として奥能登、中能登などがありますが、口能登という呼称もあります。この永光寺のある羽咋などは口能登にあたります。
永光寺も震災を受けましたが奥能登などに比べて軽度な被害で済んだようでした。
そこでこの口能登から被害の甚大であった中能登、奥能登に祈りを届けたいと思い至ったのです。
この寺院に初めて訪れたのは2008年の事でした。
ちょうどこの頃、『能登ふるさと博』というイベントが行われていました。能登の文化や観光スポットを紹介するための雑誌の取材で撮影に奔走していました。
ライターと同行しての取材が通常ですが、この日は丁度、公開されている水晶舎利容器(ガラス容器)と寺院内、住職のスナップ写真の撮影を編集長から依頼され、助手と共に訪れたのでした。
見たこともない美しい秘宝に触れ、とても温かく人間味のある住職に出会う事が出来てとても印象に残る素晴らしい取材だったことを覚えています。
そういった経緯もあり、すぐにこの永光寺が頭に浮かんで来たのです。
当時の雑誌の表紙、取材したページが以下の写真です。
震災の後、少し落ち着いて来た頃、永光寺での座禅体験会に参加させて頂きました。
その時、奉納をしたい旨を伝えたところ快く受け入れて頂き、奉納の日にちもすぐに決めて頂く事が出来たのでした。
奉納当日の永光寺の参道入り口、山門へ至る石段、山門、本堂の写真です。
奉納作品のタイトルは『観音と龍神』です。
撮影した場所は志賀町にある大島所願堂で永光寺とほぼ同じ緯度にあたる場所です。
奉納を決めたときに最初に浮かんで来たのがこの作品でした。
当日は静かな本堂において住職による般若心経で奉納式は始まりました。
震災からの復興をお祈りをさせて頂き、厳かな雰囲気の中で無事に式を終える事ができました。
素晴らしい時間の流れの中に身を置くことが出来、感無量でした。
屋敷智乘住職には大変お世話になりました。
感謝いたします。